今回は手汗についてお伝えしていきます。主汗というのは手に汗をかくという事です。単に手に汗をかくなら誰でもかく訳ですが、その量が半端ない状態を指します。
特に手の平にかく汗は、医学的には「手掌多汗症」と言う名称まで付いています。日本人の場合は200人に一人くらいの割合で起こるといいます。
症状は季節ごとの気温やその人の精神状態などによって異なりますが、手汗のレベルは次の3段階に分ける事が出来ます。
■レベル1 手が湿っている。触ると汗ばんでいることがわかる。
■レベル2 手に水滴ができる。見ただけで汗をかいていることがわかる。
■レベル3 手から水滴がしたたり落ちる。
レベル1くらいであれば、周りの人にもいるかもしれませんが、レベル2や3になるとこれはかなり異常です。放置するのは良くありませんので専門医の治療が必要なレベルです。
手以外の汗は普通なのに手だけ大量の汗をかくのが手掌多汗症です。少し湿っている程度であれば日常生活に支障はないと思いますが、レベル2や3になると日常生活にもかなり支障があります。
手に持っているモノが濡れてしまう、あるいは水分の影響で落としてしまうケースだってあるかもしれません。また、大切な接客をしている時に、握手が出来ない事だって起きるかもしれません。そうなると精神的にもかなり追い詰められたり、落ち込んだりする原因にもなっていくでしょう。
まずは、手汗の原因を知る事で適切な対応が出来るようにしていきましょう。
目次
手汗の原因とそのメカニズムはこうなっている!
まず最初に申し上げて事は手汗のはっきりとした原因は分かっていません。ただ自律神経の一つである「交感神経」の働きが過剰になっていると考えられています。「交感神経」は、人間が緊張している時に働く神経で、人間の体内で内蔵などの各器官の働きを促進するのが交感神経です。
分かりやすい例で言いますと、胃腸の働きなどがそうですね。人間が食事をすると喉から入った食物は胃の中に入り消化され、それから腸に送られます。
腸の中では食べ物から栄養分を吸収して、不要になったモノを便として体の外へ排出する準備を行います。こういう一連の働きはわざわざ指令や命令をしなくても体が勝手に行ってくれます。
これが自律神経の中の交感神経の働きです。その反対に副交感神経の働きは体をリラックスした状態にして、必要でない体の器官の動きを止めたり、緩やかにしたりして抑制します。
そして、手汗の一つの原因と考えられているのが交感神経の過剰な働きという事です。何故、この交感神経が過剰に働いてしまうかの原因は今の所、明らかになっていません。
ホルモンバランスの乱れ
女性の体は生まれつき、生理や妊娠、あるいは更年期障害など女性特有の働きや機能に関係するホルモンの影響を大きく受けます。そして、このホルモンのバランスが崩れると交感神経が過剰に働く事が分かっています。脳の同じ部分がこの両方の働きを司っているために手汗が出やすくなると言われています。
生理や妊娠、更年期障害など、女性の体は特にホルモンの影響を大きく受けます。ホルモンバランスが乱れると交感神経が過剰に働くのは、脳の同じ部分がこの両方を司っているため。そのため手汗が出やすくなります。
ホルモンバランスは、ストレスや生活習慣・加齢などによっても乱れやすくなります。
緊張など精神的に情緒不安定になっている時など
人間は緊張した時には手に汗をかきやすくなります。「手に汗を握る」という表現があるくらいですからね。精神的に不安な時や緊張している時などはストレス状態がマックスな状態です。
その場合、交感神経の働きが活発になり、その影響で手汗が出るようになります。この症状自体は至極自然な事なのですが、交感神経が過敏になりすぎるのが問題になります。
特に手に大量の汗をかくと気持ちも焦ります。その焦りがさらに交感神経を刺激してさらに大量の汗をかくという悪循環に陥っていくのです。
食生活や生活習慣の乱れ
手汗は生活習慣にも大きな影響を受けます。特に食習慣は大切です。辛いモノを食べる習慣が多い人は痛覚神経を刺激します。
痛覚神経が刺激されるとアドレナリンの分泌が盛んになり、交感神経を刺激します。そして手汗が出ます。この場合は味覚を刺激されたので未覚醒発汗と言います。
激辛ラーメンなどを食べた時には大量の汗をかくと思いますが、それが手に集中して汗をかくと言う事です。その他の食品に含まれる成分とすればカフェインやニコチンがあります。
これらの成分は中枢神経を興奮させるため、交感神経の刺激に繋がり、手汗の原因となる場合もあります。
手汗には病気が原因によるものもある
手の平だけに汗が出る「局所性多汗症」であれば病気の症状の一つである可能性は低いと言えます。ただ手の平以外のもたくさんの汗をかくようであれば病気の可能性もあります。
可能性のある病気は以下の通りです。ご自分の症状と照らし合わせて確認していましょう。
・甲状腺機能亢進症(手の震えなども)
・急性リウマチ(関節の痛みや高熱も)
・結核(咳や微熱が続くことも)
・糖尿病(息が甘い)
・肝硬変や腎不全(汗が尿のような匂い)
・緑膿菌感染症(汗が緑色)
・更年期障害(体のほてりなども)
・自律神経失調症(めまいや腹痛・下痢や動悸なども)
これらは一部ですので、何らかの症状や異常を感じたら、専門医の治療を受ける事をオススメします。
まとめ
今回は主に手汗の原因についてお伝えしてきました。私は手汗の経験はありませんが、緊張した時に手に汗をかいた経験はあります。
その例を自分に当てはめて思い返してみると、なるほどと納得しますね。やはり疲労やストレスの蓄積、緊張の連続は人間には良くないんです。
それが如実に表れるのが手汗と言う事なんですね。あまりに大量の汗を平時にかくのは、体調が悪かったり、何かの病気である可能性も疑ってみるという事なんですね。