世の中には色々な体臭の種類がありますが、その中でも今回は口臭についてお伝えしていきます。口臭で悩んでいる人って最近多いと感じるのは私だけでしょうか?
ひとくちに口臭と言っても実は種類は様々。また、口臭になる原因もいっぱいあるんです。さらに面倒な事に口臭の原因と言うのは一つの要因に起因しているのではなくて、複数の要因が重なり合って口臭になっているケースがほとんど。
ですから、一つだけの原因に対して口臭対策をしても効果が出ない事もあります。しかし、まずはどんな原因で口臭が起こるのかを知ることは大切ですね。
口臭の原因が分かれば自分で出来る対処方法も分かりますからね。私のモットーは人任せにしないで自分で出来ることは自分で行うと言う事。
人任せというのは、歯科医に通っているからドクターに任せておけば大丈夫という人に依存してしまう考えの事です。ドクターを当てにしないというと、信用していないようですが、そうではありません。
任せきりにしていては解決出来る問題も時間がかかってしまう場合があるという事なんです。自分で出来る事を見つけて複合的に行っていけば問題はどんどん解決の方向に進んでいくと思います。
しっかり自分が出来る事も見つけていきましょう。まずは口臭にはどんな種類があるのかを知る事が必要です。
生理的口臭には色々な種類がある!
まずは生理的口臭からお伝えしていきます。生理的口臭とは、人が生きていれば必ず発生する口臭で、一時的な口臭です。生理的な口臭は口臭ケアもそれほど難しくないのが特徴です。
口の中には、たくさんの細菌が存在しています。その細菌たちは口から入った食べ物や飲み物のタンパク質や脂肪を分解することでニオイ物質を作り出しています。
生理的口臭は比較的解消しやすく、誰にでもあるものなので神経質になる必要はありません。生理的口臭にもいくつかの種類があります。一つ一つ見ていきましょう。
食後の口臭
食後の口臭は毎食後、必ず出る口臭なので、気にする事はありません。原因は食後の食べかすや舌や歯などに付着して菌などが原因で起こる口臭です。
食後すぐにうがいや、歯磨きをする事で簡単に口臭を解消する事が出来ます。
疲れやストレスから来る口臭
疲れが蓄積している時、あるいは強度のストレスが蓄積した時などは、ネバネバした「粘液性唾液」が口の中に分泌されます。これは疲れやストレスの蓄積によって交感神経が優位になって唾液の量が減るためです。
唾液の量が少なくなる事によって口臭を発生させます。口の中がネバネバしていると、美味しい物を食べてもあまり美味しく感じません。せっかくの食事が無駄になるので疲れやストレスを貯めないようにする事が必要です。
疲れたと感じたら、休みなり睡眠時間を少し多めに取るなどして、しっかり体を休めてあげましょう。
緊張したとき出る口臭
緊張している時に出る口臭も疲れやストレスに起因する口臭と同じです。口の中がネバネバして唾液が少ない状態です。
水を飲む、うがいをするなどして口の中をすすぐ必要があります。ただ一回すすいだだけでは、すぐに口の中がネバネバしてきます。何回も口の中をすすがないといけなくなります。
緊張する場面を少なくする、緊張しているなと感じたら深呼吸をして気持ちを落ち着かせるなど自分で工夫しながら緊張を解くようにしていきましょう。
モーニングブレス(朝起きてすぐの口臭)
朝起きてすぐの状態の口臭のことをモーニングブレスと言います。朝起きた直後は大抵の人の口は臭いものです。これは睡眠中の口呼吸によって唾液の分泌が減少することで起こります。
睡眠中の呼吸は鼻呼吸が理想ですが、なかなか睡眠中に鼻呼吸をして口を閉じている人は少ないです。鼻呼吸するには、グッズを利用して練習するなどの工夫が必要になります。
⇒鼻呼吸のグッズにはこういうモノがあります。
朝一番に水を飲むといいと言われることがありますが、それは正しい対応ではありません。前述したように朝起きた直後は細菌が口の中にかなり繁殖している状態です。
水を飲んでしまうと細菌まで一緒に飲んでしまう事になります。よって、朝起きたらまずはうがいをして口の中をすすぐことをオススメします。うがいした水は吐き出して下さい。
ドライマウスによる口臭
ドライマウスはお口の病気の一種です。起きている時に口を開けたままにしている習慣がある人、あるいは元々唾液の分泌量が少ない人などがドライマウスと呼ばれます。
唾液の量が少ないので、口臭が発生しやすいです。自覚症状がある場合はガムを常に口の中で転がしておくなどの対処が必要です。
また、毎食食べる時に、噛む回数を意識して増やす事によって唾液の量を増やす事が可能です。最近は歯科医によってはドライマウスの治療を行っているクリニックもあります。
どうしても、自分で対処が出来ない場合は歯科医に相談するのも一つの方法です。
加齢に伴う機能低下による口臭
加齢によって細胞の新陳代謝や、唾液の分泌機能が低下して、自浄作用が低下することによって口臭が発生します。
唾液による自浄作用が低下すると、舌についた汚れなどが唾液によって洗い流されず厚く付着し、入れ歯や歯も不潔になっていきます。
歯磨きや舌苔(ぜったい)のケア、入れ歯のケアなどをきちんとすることで予防できます。
女性の生理的周期による口臭
女性の生理の時に口臭が臭くなることがあります。これも生理的口臭として位置付けられます。生理的周期による口臭の原因ははっきりと特定出来ていないのが実情です。
女性ホルモンの乱れによってイライラが発生し、ストレス状態となることで、「疲れやストレスによる口臭」と同様の状態が作られるのではないか、はたまた、免疫力の低下によって、口臭の原因となる細菌が増殖するためではないかと、いろいろな原因が考えられています。
自覚がある場合は、歯磨きの回数を増やす、キシリトールのガムを噛む、噛む回数を意識的に増やすなどして唾液の量を増やすようにしてみましょう。
舌苔(ぜったい)・歯垢などのお口の汚れによる口臭
これまでご紹介してきた生理的口臭が原因となって、舌から分泌される唾液の量が少ないと、お口の中の汚れが唾液によって自浄されずに、お口に汚れが溜まって口臭のもとになります。
黄色っぽく舌に色がついている、それが舌苔です。舌にある無数のヒダに食べかすや口臭の元となる細菌や細菌の死骸などが苔のように絡みついている状態です。
こういう状態を防ぐには、定期的に自分の舌を鏡に映して見て、気がついた時に歯磨き粉をつけてブラッシングしましょう。
舌に歯ブラシをあてて、軽くブラッシングします。あまり力を入れすぎると痛みを感じるので優しくソフトに行うのがコツです。
飲食物・嗜好品による口臭
続いて、モノを食べたり、飲んだりした時に発生する口臭についてお伝えしていきます。一般的にニオイがきつい食べ物というは分かっています。
よく例に上がるのが、にんにく、ニラ、玉ねぎなどの食材です。これらの食材は元々ニオイが強い食材です。こういう食材を使った料理を食べた後は出来るだけ早く歯磨きをすればニオイはかなり解消されます。
またガムを食べて唾液の分泌を促すのも効果があります。焼肉屋に行って勘定を済ませた後にガムをくれるサービスがありますが、あれなども焼肉を食べた直後は口臭を発生させやすいので、食べたあとにガムを食べて唾液を出す事によって口臭を緩和させようと言うものです。
原理はそれと同じになりますね。
アルコール摂取による口臭
アルコールを飲んだ前後に出る口臭は、飲んだあとにすぐに出る一時的なものと、体内に吸収されて呼気や汗などから体外に排出されるものと2通りあります。
アルコールを飲むとお手洗いが近くなりますが、これはアルコールによる利尿作用の影響です。利尿作用によって体内の水分が不足して唾液の分泌量も減り、唾液によるお口の自浄作用が働かなくなり口臭がさらに強くなります。
これを防ぐには飲んだあとに水分を補給する事です。飲みすぎたと感じる場合は大抵の場合は喉が渇きます。喉の渇きを感じたらミネラルウォーターやポカリスエットなど体内の水分補給を行うようにして下さい。
タバコによる口臭
タバコを吸うことによって起こる口臭は、一時的なもので、時間が経てばすぐににおいは無くなります。喫煙者の口臭が臭い要因は、多くの場合は歯周病など他の原因がある場合や、歯に付着したヤニが原因です。
何故歯周病なのかと言うと、喫煙すると歯周病になりやすいのです。また喫煙によって、歯にヤニが付着しますが、ヤニにはアセトアルデヒド・酢酸・アンモニアなどのにおい物質が含まれており、これらが歯に付着することによって、口臭を発生させます。
喫煙している人で歯周病などが気になる場合は専門医に相談してみるのがいいと思います。
病的な口臭(歯や口の病気による口臭)
次に病的な口臭のついてお伝えしていきます。病的な口臭には2種類あります。一つは口腔内の病気です。これは虫歯や歯周病などの病気を指します。
そして、もう一つは内臓など体の臓器に起因する病気の場合です。一つずつ見ていきましょう。
虫歯による口臭
虫歯による口臭の場合は、特定が比較簡単です。自分で虫歯があると言う意識もあるので口臭を他人から指摘されても、今虫歯を治療しているので口臭が出ていると分かります。
虫歯による口臭は虫歯の治療が完治すれば、口臭がなくなるケースがほとんどです。早く虫歯の治療を完治させる事に専念すればいいと思います。
歯周病による口臭
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯肉の境目(歯肉溝)の歯磨きが行き届かないと、その部分に細菌が停滞し赤く腫れたり、炎症を起こして痛みを生じます。
歯周病が更に進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は歯を抜くという事になります。
歯周病ではないかどうかは自分である程度チェックする事が出来ます。以下の表を参考にして気になる場合はチェックしてみて下さい。
・朝起きたとき、口の中がネバネバする。
・ブラッシング時に出血する。
・口臭が気になる。
・歯肉がむずがゆい、痛い。
・歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
・かたい物が噛みにくい。
・歯が長くなったような気がする。
・前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
※上記の項目3つ当てはまる場合
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
※上記の項目6つ当てはまる場合
歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目全て当てはまる場合
歯周病の症状がかなり進んでいます。早く治療に行くことをオススメします。
病的な口臭(からだの病気による口臭)
病的な原因による口臭の中にはもう一つ、からだの病気による口臭があります。口の病気による口臭と違って、複合的に起こっていることも多く、原因を突き止めるのが難しい場合があります。
これからご紹介する、喉や鼻の病気に関しては、自覚症状も出やすくわかりやすいのですが、内臓系の病気に関しては自覚症状がない場合もあります。
喉・鼻の病気による口臭
以外に知られていないのが、喉や鼻の病気による口臭です。蓄膿症や、慢性鼻炎、慢性扁桃腺炎、咽頭がんなどの病気です。
これらの病気に発症している場合は口臭を発生させる場合があります。蓄膿症の場合は、膿が鼻から喉に流れてきて、口臭を発生させます。
蓄膿症の口臭は、血生臭い、膿の臭いが特徴です。自分でもかなり自覚出来るニオイなので、そういうニオイが自覚出来たら、蓄膿症がかなり進んでいる可能性が高いです。
耳鼻咽喉科による診察を受けることをオススメします。
内蔵の病気による口臭
糖尿病などの特定の病気や、胃・腎臓・肝臓などの内臓の病気によって起こる口臭もあります。内臓疾患等による口臭は特定するのが難しいのが特徴です。
一つ一つ口臭の原因を特定していく中で、生理的口臭、あるいは口腔内の口臭ではない、それでは内臓の病気による口臭ではないかと特定出来る感じです。
また、複合的に口臭を発生させている事も多いので、さらに原因をつく止めるのが難しい場合もあります。口臭測定器では特定のニオイの測定はできても、原因までは特定出来ないので、あとは生活習慣や病気があるかどうか、色々な検査でようやく見つかるという口臭の種類です。
口臭外来を設置している総合病院では、官能検査と言って、経験豊富な専門家の嗅覚によって行われる実際に人間の鼻で口臭を嗅ぎ分けて、その後の精密検査等で口臭の原因が病気であると突き止める事が出来るようになっています。
心因性の口臭
心因性の口臭は言わば思い込みの口臭と言っても過言ではありません。自分の口はクサイ、自分には口臭があると強く思い込んでいます。
いざ、口臭検査をしても口臭があるとは認められない事がほとんどです。つまり、口臭がないのに、本人は口臭があると思い込んでいるのです。
別名、「自臭症」とも呼ばれます。何故、こういう症状になるかと言うと、生理的口臭などで一時的な口臭が発生していた時に、それを第三者に指摘され、それがきっかけで自臭症になるパターンが多いようです。
ひどい症状になると、引きこもりになったり、対人恐怖症、あるいは人と関わることすらストレスになる場合もあります。
口臭検査を受けて口臭ではないと分かれば、気持ちを切り替えて日常生活を普通に送るだけで口臭がきにならなくなります。
まとめ
いかがですか?
一言で口臭と言っても、その種類はたくさんある事がお分かりいただけたかと思います。最初に申し上げたように口臭の原因は一つに限られる事が少ないので原因を特定するのが難しいのです。
思い当たる原因があれば、色々と複合的に考えて行くことが大切です。また生理的口臭であれば自分で対処できる事も多いので毎日の生活の中で出来ることは実践してみて下さい。
生理的口臭の場合は、基本的には唾液の減少が原因です。ガムを噛む、うがいをする、噛む回数を増やすなど自分で出来る事も多いので簡単に出来ます。
虫歯や歯周病などの病気による口臭の場合は自分で治す事は基本的には出来ないので早めに専門医に診てもらう事をオススメします。