ミドル脂臭の原因成分「ジアセチル」とは?ジアセチルはこうやって発生する!

ミドル脂臭の原因物質はジアセチルである事が分かっています。ジアセチルの発生を抑える事が出来ればミドル脂臭も抑える事が出来ます。ジアセチルが発生する原因や、どのような過程を経てジアセチルが発生するかを理解することによって、対策の方法も明確になります。

ジアセチルは、皮膚の表面にいる常在細菌と呼ばれる雑菌にによって、汗に含まれる成分である「乳酸」から作り出されます。そこで、今回はミドル脂臭の原因物質「ジアセチル」が発生する原因とそのメカニズムについて詳しく見ていきます。

ジアセチルの発生メカニズムはこうなっている!

まずは、ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルがどのような経緯で発生するかを見ていきましょう!
ジアセチルは、皮膚の表面にいる常在細菌の「黄色ブドウ球菌」と「表皮ブドウ球菌」によって、汗の中の乳酸から作り出されて、その代謝産物によって一番最後にジアセチルになります。

皮膚常在細菌の代謝によって段階的に、ピルビン酸に変化し、アセトインに変化し、最終的にジアセチルに変化する過程を経ます。汗の中に含まれる乳酸が、皮膚常在細菌の代謝によって段階的に、ピルビン酸に変化し、アセトインに変化し、最終的にジアセチルに変化します。

誰の皮膚にもいる細菌によって乳酸が分解された際に、ミドル脂臭の原因物質である不快なニオイの元になるジアセチルが発生します。

ジアセチルが発生するのは一般的に30歳代後半から40歳代後半にかけてがピークになります。ジアセチルだけでも、かなりの悪臭ですが、頭皮のニオイ(皮脂の中に含まれる中鎖脂肪酸)とジアセチルが混ざることで更にキツイ悪臭に変わります。

この頭皮の皮脂は、若い頃は、サラサラしていますが、加齢を重ねる毎にベタベタねっとりした皮脂に変化していきます。加齢とともに頭皮の皮脂がドロドロになり、いくらシャンプーして頭皮を洗ってもなかなか皮脂が取れなくて頭皮の中に残りやすくなっていくのです。

想像しただけで、凄い臭いだと分かりますよね。でも、ここまでお伝えしてきたことを理解出来れば十分に対策していくことは出来ます。大切な事はミドル脂臭がどのように発生するかと言う発生のメカニズムを知り、適切な対策を行うことです。適切な対策を行う事によって、周りの人からクサイと敬遠されないミドル世代を送ることが出来ます。

ミドル脂臭の予防や対策はどうすればいい?

次にミドル脂臭の予防や対策について順を追ってお伝えしていきます。対策で行う事はミドル脂臭が発生する頭皮の環境を整え、皮脂の分泌を正常にし、毛穴に詰まった酸化した皮脂をきちんとケアする事です。

それと並行してミドル脂臭の原因物質であるジアセチルの発生を抑制する事です。この二つのダブル対策を確実に行う事で、ミドル脂臭のニオイの発生を抑える事が出来ます。

ジアセチルは口臭や足臭よりもキツい

ミドル脂臭の原因成分であるジアセチルは、「口臭」や「足のクサさ」よりもかなりキツイ臭さです。ニオイ物質が少なくてもニオイがキツイのが特徴です。

ここで興味深いデータをご紹介します。人間がニオイを感じ始める時の最小の濃度を表す嗅覚閾値(きゅうかくしきいち)で、ミドル脂臭、口臭、足の臭い臭い、にんにくの臭いを比較してみましょう。

それぞれのニオイ成分を見てみると・・・

出典:日本環境センター所報(1990),17,P.77

表で見てみると、ミドル脂臭の原因成分であるジアセチルが一番少ない量でニオイを感じる事が分かります。

視覚的にわかりやすくするためにグラフにしてみると・・・

※口臭の原因となる3大成分は硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド(硫化メチル)ですが、違いをわかりやすくするために、嗅覚閾値の高いジメチルスルフィド(硫化メチル)を省略しています。この、嗅覚閾値からわかることは、ミドル脂臭は、口臭や足臭と比べてその原因物質が少量でも認知されてしまうほどクサイ!ということです。

特に、卵がくさったニオイのようなタイプの口臭と比べるとその差は歴然。8倍以上です。足臭と比べた場合は、約1.6倍です。足の臭さも相当な臭さですが、その足の臭さよりもミドル脂臭の方がさらにキツイという事です。人間の嗅覚は個人差があるので、ニオイに対する感じ方は人それぞれですです。

ですが、このように数値化してみるとどれだけキツイ臭いであるかが一目瞭然です。女性が一番嫌がるニオイがミドル脂臭であると言うのもこれで納得がいきますね。このデータを見て思うことは、こんなに臭い人が電車やバスなど公共機関や自分の周りにいて欲しくないと言う事ですね。

周りの人に「クサイ」と迷惑がられるのも何となく分かりますよね。これがジアセチル単体だけのニオイなんです。更に、このジアセチル単体だけでもかなり強い臭さを持っているのですが、これに頭皮のニオイの元である中鎖脂肪酸が混ざると更にキツイ臭いになることは想像出来ると思います。

ミドル脂臭の予防・対策に。ジアセチルの発生を抑制する植物エキスに注目!

ミドル脂臭の原因が「ジアセチル」である事を発見したのは頭髪商品を世にたくさん出しているマンダムさんです。このマンダムさんは、デオドラント製品もたくさん世に送り出しています。マンダムはミドル脂臭の原因物質である『ジアセチル』を抑制できる成分が「フラボノイド」を含んでいる植物エキスだと突き止めました。

ジアセチルの発生メカニズムの最初の段階である「乳酸」から最終的に「ジアセチル」になるまでに、どれくらいその抑制効果があったのかを詳しくご紹介します。

汗中に含まれる乳酸が最終的にジアセチルになり、ニオイの元となる経過をおさらいすると、「乳酸→ピルビン酸→アセトイン→ジアセチル」という流れでしたね。

皮膚常在細菌の代謝によって段階的に、ピルビン酸に変化し、アセトインに変化し、最終的にジアセチルに変化すると言う過程です。この各過程で、植物エキスによってどれくらいの乳酸抑制効果があったのかを、マンダムさんからの資料を元に見ていきましょう。

植物エキスによる乳酸代謝の抑制効果

102種類の植物を評価し、カンゾウエキス、ケイヒエキス、クスノハガシワなどのフラボノイドを持つ植物エキスがジアセチルの発生を抑制する効果があったことを示すグラフです。

4つのグラフが登場しますが、汗中の乳酸からはじまり、ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルになるまでの4つの物質それぞれの濃度を、カンゾウエキス、ケイヒエキス、クスノハガシワエキスを加えることでどうなったのかを測定したものです。

結果からいうと、ジアセチルの発生を一番抑制できたのは、クスノハガシワであることがわかりました。その次にカンゾウ(甘草)、ケイヒと並びます。この結果から分かるのは、ミドル脂臭の原因物質である「ジアセチル」は、フラボノイドを多く含む植物エキスが含まれたヘアケア用品で抑制が可能と言う事です。

シャンプーでしっかりと余分な皮脂を落とし、ジアセチルが抑制される成分が入ったヘアケア用品を常時使用することで、ミドル脂臭の予防と対策になります。

>>ジアセチルを抑制するシャンプーはコチラ

まとめ

いかがですか?

今回はミドル脂臭の原因成分である「ジアセチル」がどのような過程で発生するか?最初は乳酸からジアセチルになっていくという事でしたね。

そして、ジアセチルの発生を抑える事がミドル脂臭の発生を元から防ぐ為に大切であると言う事でしたね。